ディープ過ぎて困惑?興奮?名護を感じたいなら「蓬莱」へ行かずにどこへ行く?
名護市営市場から徒歩すぐ、アーケード街の一角にディープな名護を知れる絶好のスポットがあります。お店の名前は「蓬莱(ほうらい)」。
まだオープンして4年目というのに、いくつもの時代を見つめてきているような年季を感じる異次元空間です。
「食」をキーワードに名護の旬を感じ、文化について触れにきませんか?
メニュー表はなく、決めるのは店主とお客さん
お店をひとりで切り盛りするのは宮里美智留(みちる)さん。
初めてお店に来た時、まず驚いたのがメニュー表がないこと。これからお客さんのために、美智留さんがバイキング形式で食事の準備をしていました。
品数も多くてバラエティも豊富です。手軽に食べられる生野菜や、名護ならではのモーイ豆腐(イバラノリの寄せ物)、マグロのカマ、洋風のチーズやおつまみ・・etc。
訪れた日が大晦日だったこともあり、年越しそばまで用意されていました。
「メニュー表がないのは、名護で私が感じた今、つまり旬を伝えたいから。」と語るのは店主の美智留(みちる)さん。
ここでの注文はお客さんの食べたいもの、来た目的、人数、男女などの情報を 美智留 さんがやり取りして、お客さんの予算に応じてサーブしてくれるスタイル。
そのやり取りはまるでセラピストさんのヒアリングのようです。
それはフラッと立ち寄った常連さんでも、遠方から来たバックパッカーでも、観光の立ち寄りに訪れたお客さんでも同じなのだとか。
常連さんともなるとメニュー表の代わりにあるのは、美智留さんの頭のなかにあるお客さん個別のカルテ。その人の嗜好はもちろん、職業、国籍、蓬莱を利用するシーンや目的がインプットされているというのだから脱帽ものです!
どの枠にもはまらない蓬莱ワールド
蓬莱に来てほんの数分で、どうやらただ食事をする居酒屋ではないことが実感できるはず。ここに来ると「食」を介して、名護の旬を感じ、文化について触れることができることができますから。
お店に掲げられたチラシにある
繋ぐ(つなぐ) 旬の食材を使った地域のおばぁの料理
継ぐ(つぐ) やんばるで集う人の交流の場
紡ぐ(つむぐ) やんばる各種案内
この3つのキーワードを軸に名護の魅力を発信する活動をこの小さなスペースから挑戦している「人と食と情報のプラットフォーム的存在」です。
蓬莱では常連さんがいちげんさんに、料理の紹介や名護ならではの食材について教え合っている光景をよく目にします。そしたら別のテーブルからまた合いの手が入る。いつのまにか食を通して、ふわっとみんながつながっているのです。
他の飲食店なら躊躇する人見知りの方でも、なぜかおしゃべりになって、自然に仲良くなれる場所です。
つい聞き入ってしまう美智留さんのガイドも◎!
常日頃から山や海に行き、食材を探しているという美智留さん。店内にはあまり見たことのない草花や、季節を感じる植物などがあちこちに飾られています。 お店にいながら名護の自然を体験できるのがうれしいですね。花の名前を2、3つ覚えただけでなんとも鼻たか気分です。
レアな文化財の宝庫? まるで小さな博物館
蓬莱に何気なく飾れているものは、目利きの方からすれば貴重なものなのではと思うものがこの空間に溶け込んでいます。
沖縄を代表する画家、名嘉睦稔(なかぼくねん)の絵画や、知る人ぞ知る名護の文化人、島袋正敏(しまぶくろせいびん)さんの手書きの書など、数え上げたらきりがないほど。
どのアイテムもうまく調和していて、これが蓬莱の年季というか、短くも濃厚な年月を重ねてきたことを物語っています。
蓬莱は名護の「今」を感じられる場所。
その日山間で見つけた植物が飾られたり、この時期にしか味わえない食材が登場したりと名護への好奇心をそそるものにあふれています。
そのキラリと光る旬のものを囲みながら、地元客も観光客も自然と親しくなっちゃう!
まさにお客さん同士が作り出す居心地のよい空間です。
ぜひ今度名護に立ち寄るときは蓬莱目当てに来てみて下さい。帰る頃にはきっとナゴラブが止まらないはずですから!
詳細情報
店名 | 蓬莱 |
住所 | 沖縄県名護市城1-7-2 |
電話 | 090-1080-9702 |
営業時間 | 16:00~23:00(L.O.22:00)、予約に応じてブュッフェスタイル可 |
定休日 | 月曜 |
駐車場 | あり(市営市場駐車場) |
アクセス | 名護城公園から1km、名護市営市場内、許田ICから8.5km、那覇空港から71km |
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